幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?






どうか、誰もそんな事態になってることには気づきませんように………




トラック内ばかりに気を取られてる皆へ向けて、ひたすら願う。




それが、アンカーを務める耀太への、あたしからのせめてもの気遣いだったのに―――





『スタートする前に、お知らせがあります。
ただいま、先ほどの応援団演舞の結果が出ました。
その点数を加算した結果―――』




オウ マイ ガーッ!!
このタイミングで、放送部員の奴らめ、なんてことしてくれるんじゃ〜〜〜!!!




すでにトラック内は準備が整っているというのに、ご丁寧に全ての団の点数を読み上げるアナウンスの声に、怒りが沸々と湧いてくるも、時すでに遅し。




その場に居る誰もが、団子状態のスコアボードに釘付けになっている。




し・か・も!




『今から行われます団対抗リレーの結果によっては、緑・青・白団にも逆転のチャンスが十分残ってますので、選手の皆さんは頑張って下さい!!』




と、最後に、とんでもないプレッシャーまでかけてきやがった。





「青って、今3位なんだよね?
このリレーで1位になれば、優勝できるんだよね!?」



「うお〜〜〜〜いっ!!!
お前ら全員、気合入れて走れよーーー!!!」



「ようちゃんが一番若いんだからしっかりね〜〜〜!!!」





途端にスタンドから、スタンバッってる選手達に容赦ない檄が飛ぶ。
特に、アンカー耀太へ。






あわわわわ………
もう終わりだ〜〜〜〜!!
あの時、面白半分で耀太に票を入れるんじゃなかったよぉぉ…





あたしが入れても入れなくても、耀太が選ばれるのは逃れられなかったとは思うけど、この最悪な状況に、そう思わずにはいられなかった。







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