幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?




そんな赤ハチマキ神木の驚異的な追い上げによって、2位でバトンを手にした青ハチマキは、副団長を務めているウチのクラスの淳弥で。




走りにくい学ランをものともせずに、果敢に前を追いかけていく姿は、いつものお調子者とは違って、なかなかカッコいい。




そんな淳弥を、スタンドから祈るように見守る女子生徒が約1名。





「アツヤの奴……、お願いだからこの場でコケないでよ……?」




しきりに心配そうに呟くその人は、淳弥の彼女、なんとしっかり者の園子だったりする。




夏休み明けてみたら、部活を引退した子達のカップル率が増えてたのには驚いたけど、一番驚かされたのは、この2人だった。




お調子者の淳弥を叱る、しっかり者の園子の図ってのは、前からよく見ていた光景だったんだけどさ。




そんな淳弥の手をしっかり握って帰って行く園子の図ってのは、クラス中が軽く1mは吹っ飛ばされる程の衝撃を受けた。




なんでも2人して、高校総体後の部活引退を機に、相手にコクろうかと悩んでいたらしい。
それに気づいたヒロキが、各々にはっぱをかけたんだとか。




んで、淳弥が先にコクって、見事にカップル誕生、みたいな。




ってことはだよ、逆に考えたら、2人はずっとお互いに片思いをしてたわけで………




淳弥はともかく、園子がねぇぇ………
マジであんなのでいいの?って感じがしちゃって。




今じゃもう、慣れたもんだけど。




反対に、制服姿で学校から仲良さそうに一緒に帰って行く2人が羨ましかったりして。
あたしがもしイガグリ君の告白を断ってなかったら………




…………って、
いやいやいや、今はそんなことを考えてる場合じゃないでしょ!




またまた不埒な妄想に囚われそうになった頭を慌てて振って、視線をトラックに戻すと、すでにバトンは5番走者であるヒロキに渡っていた。






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