幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?
ラッキードライブの目撃者
またまた月日が流れ、とうとう文化祭も終わってしまった。
と言っても、あたし達3年は完全自由参加だったから、瑞穂と予備校の模試帰りに少しだけ寄っただけなんだけど。
1・2年生が模擬店やらクラス発表やらで忙しく走り回ってるのを見て、あたしと瑞穂は少しだけ切なさを感じてしまった。
去年は、あたし達が走りまわってたのになぁ、みたいな。
体育祭の後も感じた感情だったけれど、これって“受験生ブルー”じゃなくて、“3年生ブルー”なんだと思う。
“もう高校生生活も終わりに近づいてる”
“来年はお前達はここには居ないんだぞ”
イベントが終わる度にそう言われてるような………
切なくなったところで、なんにも状況は変わんないんだけどね。
それより、刻々と受験本番まで近づいてるっていう事実の方が、怖かったり。
盛り上がる会場で、『時間は待ってはくれないんだから、今を大事に過ごそうね』って、2人で涙浮かべて励まし合ったあたし達。
ついでに、駐車場で交通整理に追われていた耀太を無理やり捕まえて、正門に掲げられた“文化祭”って看板の前で、3人で写真を撮ったりなんかして。
まあそれなりに、いい思い出ができたかも。
季節はもうすぐ冬になる。
夕方からの冷え込みも、ハンパなくなってきた。
マフラーをしっかり首に巻きつけて学校から出ると、足元をカサカサ鳴りながらあたしの前を落ち葉が滑ってゆく―――
………って、
ちょっと待てーーー!!!
さっきから“落ちる”だの“滑る”だの、受験生の禁句ばっかり並べちゃって。
あたしってば、アホ……?
そんな自分にほとほと呆れながら、早足で自転車置き場へ向かった。
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