幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?
奪われたってのはあたしの独りよがりな気持ちなんだけど……
−−−-……あれは忘れもしない中2の夏。
その頃耀太は大学に入ったばかりで。
全然帰って来ないのよ、なんておばさんがよくあたしの母親に愚痴ってた。
「ようちゃん、あんまり家に帰って来ないの?」
耀太をまだ“ようちゃん”って呼んでた頃のあたし。
好きな人の情報には過敏に反応してた。
「帰って来ないっていうより、帰る暇がないみたい。
研究で泊まり込みだとか、バイトだとか…
何かと忙しいらしいわ。あたしもこれでやっと肩の荷が降りた感じよ〜」
ケラケラ笑ってみせるおばさんだけど、どこかやっぱり寂しそうに見えた。
あたしも、ずいぶん耀太に会ってなくて、凄く寂しかったのを覚えてる。
「ね、楓ちゃん、明後日から夏休みでしょ?買い物でも行かないかしら?」
「行きます!もちろん行く!」
寂しい者同士、買い物は気を紛らわせる為の最高の手段だった。
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