幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?
あくる日、登校前のあたしに瑞穂から一通のメールが届いた。
[ごめん。今日まで休むわ。
将来の大物歌手としては、喉って大事なもんだし。
明日からは通常通りってことで。
マジですまんのぉ]
な、なぬ〜〜〜!?
メールの内容は“大物歌手”とかツッコミ所は満載だったけども、それよりなにより、断る理由となるモノがなくなったことがショックだった。
うぐぐ……
こうなったら、学校でヒロキには“とにかく悪いし”って言って断るしかないか………
それが一番率直な気持ちなんだけど、断る理由としては最も弱い気がするのは、もうしょうがない。
重い気持ちでこぐペダルは、いつもり遥かに重く感じられた。
そして学校に到着するや否や、あたしはヒロキの姿を見つけて廊下に拉致した。
「昨日の話なんだけど、やっぱり悪い…」
「あっ!石橋来たぞ!」
「げっ……!?またあとでね…」
なんとも間の悪いタイミングで現れた耀太を避けるように、あたしは渋々ヒロキを解放して教室へと戻った。
そんなあたし達の様子に気づいた耀太が、苦しげな表情を一瞬浮かべていたなんて、ここでもまったく気づかずに……
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