幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?
それから何度もあたしはヒロキに接触を謀ったけれど、毎回誰かしらに邪魔された。
昼休みには、なぜか耀太にヒロキが呼び出されたりして。
あとでその用事を淳弥から聞いたけど、なんでも最新ゲームソフトの話だったとか。
なぜに今!?
くだらない用事で呼び出した耀太にムカつきつつも、もしかしてあの目撃談に関するものじゃ!?と危惧していたあたしが、それを聞いてひどく安心してしまったのも事実だった。
結局最後までろくに話も出来ずに、あたしは今、予備校の最終授業を受けてるわけで。
よく考えたら、いつどこに待ち合わせなのかも話してないことに、はたと気づく。
ってことは、やっぱりあれは冗談だったのかも……?
そんな淡い期待を抱きつつ、授業を終えた予備校の玄関から出たあたしが見たもの。
それは―――
ガードレールにもたれて、通る人全てをチェック中のヒロキの姿だった。
しかも私服姿のヒロキは、学校で見るより3倍増しでイケてる。
ひょえええぇ!?
超目立つアナタがそんな場所に居ると、待ってる相手は誰??みたいな雰囲気がビシバシ辺りに漂っちゃってるんですけど!?みたいな。
その光景に、一昨日に引き続き、あたしがコソコソ女となったのは、言うまでもない話。
ひと気が減ってから近づこうと、人がせっかく渾身の演技で気づかない風を装い、自転車の方へとクルリと向きを変えたのに。
「おいっ!
なんでスルーすんだよ?」
「えっ!?うわっ居たんだ!?
あはははは……
ヒロキが黒いから全然気づかなかったよ〜」
それは悲しいかな、逆効果となった。
大声で声をかけられた猿芝居全開のあたしと、ちょっとムクれた様子の長身ヒロキは、今やその場の注目をガンガン集めてしまってるわけで−−−
マジ、とほほ……だよ。
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