幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?





泣きそうになってるあたしを見て、キョトンとなるヒロキ。





ぱちぱちと瞬きをしてから、ああ、なんて勝手に納得している。





だ〜か〜ら〜、あたしにわるかように説明してよ〜〜!!






「楓に言ってなかったっけ?
俺、夏休みに免許取ったんだわ。
なんせ淳弥のヤローが園子とラブラブ図書館デートばっかりで全然構ってくんなくてよ、俺暇だったし。
この車は親父のお古。
ちょっと汚ねぇけど、四駆はいいぞ〜
走るし、運転しやすいし」



「め、免許……」






同じ歳で、すでに持ってるなんて、なにげにショックなんですけど!?




もっと大人のものだと思ってたけど、よく考えたら、学年の半数近くは18なわけで………




取ろうと思えば取れるんじゃ〜ん!!みたいな。





って言っても、あたしは早生まれだから無理だけどさ。





一人呆けるあたしの背中を押しながら、ガチャリと助手席のドアを開けたヒロキは、なんとも寒い冗談をぶちかました。





「どうぞ、楓お嬢様。
足元にはくれぐれもご注意を」



「…………」



「な〜んつって。
今流行りの執事バージョンな俺。
………あり?ウケない?」





頬をぽりぽり掻いてるヒロキの隣で、あたしは無言でマフラーを巻き直した。







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