幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?
鼻で笑ってるけど、ホントだよ。
まだ照れ笑いを浮かべてわざとらしく後方確認してるヒロキには、感謝してもしきれないぐらい毎回感謝感激してるんだから。
いいって言うのに、必ず温かい飲み物を買ってくれるヒロキ。
寒いといけないからって、あたし用に膝掛けまで車に用意してくれてるヒロキ。
これ以上にないくらい、サイコーに面倒見のいいクラスメートだと思うよ。
「今日までだし、何か欲しいものとかない?
今までのお礼したいしさ……」
「えっ、いいよそんなのは。
俺が自己満足でしてるんだしよ」
「ダメ!このままじゃ、あたしの気が済まないもん。
なんかない?
あっ、高価な物は無しだから。
あたし今バイトもしてなくて極貧だし……」
大通りへとスムーズに合流した車は、徐々に加速を始めた。
予備校の前を通り、そして一件のコンビニの前を通り抜けて行く。
実はここがヒロキの家が経営するコンビニだったりする。
知らないうちは、あたしと瑞穂が予備校前に必ずといっていいほど、利用していた店。
けど知っちゃった今は、なんだか恥ずかしくてあんまり寄らなくなっちゃった店。
情報処理の専門学校を卒業したら、親は引退させて、ヒロキがここの店長さんになるんだとか。
マジで凄いよ。
この歳ですでに家を継ぐことを決めてるんだから。
あたしにとってヒロキは、尊敬にも値するクラスメートだよ。
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