幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?
10秒ほど待ってみたけど、やっぱりなにも聞こえない。
「………ヒロキく〜ん?
もう1回…」
「お前さ、聞こえててわざとやってない?」
「とんでもないっ……よ?」
おやおや?
どうした?ヒロキ……
不機嫌そうな声を聞いて、慌てて横を向いたあたしが見たもの、それは−−−
前を見据えたまま、耳まで真っ赤になってるヒロキで。
「……なんで照れてんの?」
わけがわからず、あたしの頭の中はクエスチョンマークだらけ。
思わず、ずずいっとさらに顔を寄せると、ヒロキは眉間にシワを寄せて体を離した。
「ぜ〜ったい、わざとだろ?」
「違うってば。
マジで聞こえなかったの!
だからもう1回言ってよ?」
「ったく…、1回しか言わねぇぞ」
「ラジャー!」
元気に敬礼するあたしを一瞥したヒロキは、大きく深呼吸をするなり、やっと聞こえるぐらいの音量でぽつり……
「25日、空いてるか?」
25……?25かぁ……
それって今月だよね……
…………ん?んんっ!?
「今月のニジュウゴって……
クリスマスじゃんっ!?」
「気づくのおっそ……」
驚きでドアへと張り付いたあたしに、そう呟く呆れ顔のヒロキは、それこそエンジン音に負けないくらいの大きなため息を漏らした。
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