幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?




次の日−−−





つまり入試当日。





吐き気をもよおすほどの緊張場面(またの名を試験)から解放されたあたしと瑞穂は、短大近くのカフェへとやって来た。




実はこの店、地元雑誌にも取り上げられるくらいの人気店で。
試験の後に絶対来ようって前々から2人で約束してたんだ。






そんなこ洒落た店内で、ここで来年は優雅にお茶したいね?なんて2人でニッコリ微笑み合いながらも、ランチメニューをものの10分で平らげたあたし達って一体……





だって試験中からお腹がグウグウ鳴ってたんだもん!みたいな。





これじゃあ、ヒロキ達のことは言えないよね。






自分に呆れてクスクス笑うあたしの前で、大きくなったお腹を優雅に?さする瑞穂が、





「いやぁ、満足満足。
こんな美味しいもの食べれて、ここまで来たかいがあったよ……」





と、お上品にカプチーノに手を伸ばしつつニンマリ笑うから、今度は瑞穂に呆れてしまった。






「いやいや、瑞穂さん?
あたし達はあくまでも試験を受けに来たんであって、ここのランチを堪能しに来たわけじゃないから……」



「今さら、そう固いこと言わないの。
試験はたまたま来たんであって、本命はココだったの!」






瑞穂のこの支離滅裂発言の背景には、どうやら小論文のヤマが外れたことが影響しているらしい。





今はいくらか吹っ切れたみたいだけど、試験後に落ち合った時には、背後霊でも背負ってるんじゃないかって顔をしてたぐらいだから。







え?あたし?





あたしは……





まあまあ……かな。





昨日耀太がくれたヤマ張り問題が、見事的中しててさ。





7割方は自信がある。





残りの3割のことは、そっとしておいてって感じ。





「にしても、やっと受験と言う名のトンネルから抜け出せたね……
あと残すは、告白だけかぁ…」






瑞穂の言葉にドキリとした。






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