幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?



「上がってくか?」





車を駐車した耀太が、こちらを見ずに言う。






こんなこと言うなんてやっぱりヘンだと思いながら、




「う、うん……
ちょっとだけ……」





あたしも俯き加減で頷いた。





そしてそのまま耀太の後ろをどこかフワフワした気持ちで歩いて行きながらも、急にプレゼントがあるか不安になって、途中バッグに手を突っ込みその感触を確かめたりした。





よしっ…!
プレゼントOK!
意気込みOK!
フラれる覚悟OK!






玄関でははき慣れないブーツにかなりてこずりつつ、耀太の部屋に上がった瞬間、あたしのテンションは一気にMAXにまで到達した。





決心が鈍る前に、早く言わなくちゃ!





「あっ、あのさ…」



「ん?」



「プレゼント…」





そこまで言うと、耀太はなぜかはっとした顔をして、サイドボードから何かを取り出している。





もしかしなくても、あたしがプレゼントを催促したと勘違いしたらしい。





もうっ!違うのに〜〜!






「はい、コレ……」



「……!?
ありがとう!開けていい?」



「どうぞ」





少々ムッとしたのも束の間、手の平にのせられた箱がアクセを連想させる大きさなのに気づいて、途端に機嫌を取り戻したゲンキンなあたし。





綺麗に結ばれたリボンを慎重に解き、そっと箱を開けて−−−




「うわ……可愛い……
いいの?あたしがもらっても……」





彼女じゃないのに、なんて柄にもなく恐縮してしまった。





「楓のために買ったんだから、当たり前だろ?」





呆れたように、でも優しく諭すように言いながら、耀太はそれをあたしの手首にそっと着けていく。






「綺麗……」







じっくり見ようと持ち上げたあたしの左手首を、小さなクロスが付いたブレスレットがシャラリと滑り落ちていった。






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