幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?
看病は、蜜の味!?
ついに高校生活最後の3学期が始まった。
なんだかんだ言って、ヒロキとの関係は、結局あたしが危惧したようにはならなくて。
「よお!久しぶり。
あっ、そうそう、あけおめな、楓」
「こちらこそ、あけおめことヨロだよ、ヒロキ」
逆にわだかまりがなくなって、さらに親しくなれた気さえする。
ひと安心するあたしに、
『それは楓だけだよ。
ヒロキは顔で笑って心で泣いてんの』
と、瑞穂は厳しいことを言ってきたけれど、同時に、『よく断れました』とも褒めてくれた。
…………あっ…
そろそろ担任がやって来る時間になり、あたしはいつになく緊張してしまった。
あのクリスマス以来、実は耀太に会ってないんだよね。
冬休み中、あたしはバイトや自動車学校で慌ただしく過ごし、そして耀太は耀太で冬季講習や忘新年会、正月三が日はおばさんの実家に行くなりして忙しかったみたいで。
この2週間、すれ違いばかりだった。
ちなみにおばさんは、つい先日、忙しい耀太に代わり、あたしと母親の見送りで無事にアメリカにいるおじさんの元へと帰っていった。
『次に会う時は、楓ちゃんも女子大生ね。
いい恋しなさいよ』
別れ際、ウィンク付きで囁かれた言葉にあたしは苦笑した。
おばさん、いい恋もなにも、あたしの恋の相手は、アナタの次男坊です……
な〜んてね。
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