幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?





「HR始めるぞ〜」





そうこうしているうちに、再び教室に現れた耀太は、体育館の寒さがたたったのか、いよいよもって掠れ声になっていた。





その様子に“コイツ絶対風邪ひいたな”と感づいたのは、どうやらあたしだけじゃなく、クラスの大半だったみたいで。





「ようちゃん、この大事な時期に風邪伝染さないでくれる?」





皆が“まさか?”って顔をしてる中、センター組の淳弥がすかさず冷やかすと、






「わりぃな…。
なるべく早く終わらせるわ」





それにバツの悪そうな顔で首の後ろを掻いて答えた耀太は、ホントに超特急でHRを終わらせた。





おかげであたしはバイトにダッシュで行かずに済んだけれど。





なんというか、後味が悪い。





よっぽど職員室に寄って耀太の容態を尋ねようか迷ったけれど、それはそれで気を使わせそうだし。





仕方なく、バイトを早めに上がらせてもらって、教習所に行く前に耀太のアパートに寄ることにした。





3年生しか受け持ってない耀太は、普通授業がなくなった分、最近は定時に上がれるようになったらしくて。
………その代わり、家に仕事を持ち帰ってるようだけど。





だからって、夕方5時に帰宅してるかはかなり微妙な線だけど、いつまでもここに居たってしかたないし、後ろ髪を引かれる思いで、皆に続いてあたしも学校をあとにした。






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