幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?





「お疲れ様でした〜!」






お土産に、と店長からもらったパンをぶら下げ、あたしはバイト先から急いでコンビニへと向かう。





そこでスポーツドリンクと耀太が好きなぶどうゼリーを買い込み、それからまた自転車を猛スピードで走らせた。





猛スピードと言っても、最近教習所で車に乗ってるせいか、やけにもどかしく感じてしまうけれど。




それでも10分足らずでたどり着いたアパートの駐車場に、予定通り?黒い車を見つけて、あたしは思わずほくそ笑んでしまった。







始業式だから早く帰れたのか、はたまた具合が悪くて早退したのかは定かじゃない。




だけど−−−



バイト中、寝込む耀太をかいがいしく看病する自分の姿を思い浮かべて、やたらニヤつきが止まらなかったあたしとしては、出来れば後者を希望する。




だって、好きな人の看病って、誰だって憧れがあるでしょう?






不謹慎だという自覚はあるものの、どうしても願わずにはいられない。





どうか寝込む耀太がこのドアの向こうに居ますように……って。






逸る気持ちを抑えつつ、ついでに緩みそうになる顔も引き締めつつ、





ピンポ〜ンンン♪





妙な余韻を残すチャイムを鳴らした。





………ワクワク♪♪



………ワクワク♪



………ワクワク



………ワ……あ…れ?






なのに、中の住人からは何の反応もなくて。




………?
……うわっ!?無用心!





首をかしげつつ回したドアノブは、いとも簡単に開いてしまった。





「耀太〜?入るよ〜?」






あたしが一応遠慮がちに開けたドアの向こうには−−−






…………!?!







床にうずくまる、黒い物体があった。






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