幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?






それから2人で必死になって探した。





あの頃はケータイなんて持ってなかったし、連絡の取りようもなかった。






「居る?」






「居ない」






あたしより背の高い笠井君の背中に何度尋ねても、同じ返事しか返ってこない。





汗だか冷や汗だかわからない汗が、せっかくメイクしてもらった頬にダラダラ流れていた。






「……い…っ…!」







そのうちゲタで靴ズレが出来て、痛みに顔が歪んだ。






「大丈夫?足、痛いの?」





優しい笠井君は、すぐにあたしの異変に気づいて立ち止まってくれた。






「なんとか……」







その時気づいたんだ。






これは若菜達の“お節介作戦”じゃないかって。






わざとあたしと笠井君を2人っきりにしたんじゃないかって。






若菜め〜!
余計なことを〜!






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