幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?





「絆創膏でもあればな……」






皮がめくれたあたしの右足を覗き込む笠井君が、ぽつりと呟いた。






ああ!そういえば、さっきおばさんに渡されてたのにっ!






写真を撮られるのに夢中で、せっかく用意してくれてた絆創膏をテーブルに置き忘れたことを思い出した。





あたしのバカ!バカ!バカ!





しょんぼりなるあたしの手に、笠井君の手が重なった。






「コンビニに買いに行こ?」






「え、でも……」







「アイツらなら大丈夫だよ。それより、その足で帰らなきゃならない方が心配じゃない?」






言われてみれば、浴衣だったからここまで歩いて来たあたし。






片道30分。






遠い!遠すぎる!






考えるだけで気の遠くなるような距離。






「コンビニ、行く…」







頷いたあたしの手を、ゆっくり笠井君が引っ張った。









あの時行かなければ、あたしはまだ淡い初恋に心をときめかせていたかもしれない。






って、逆に言えば、早く現実に気づけてよかったんだけど。







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