幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?




あたし達が小声で話している中、すでに暴露大会は開始していたようで、次々に部屋のあっちこちで爆笑や拍手が起こっている。




「次は9番!」



「はい!あたし」





そしてついに、理恵の番となった。
あたしの予想では、理恵は耀太のことを言うんだと思うんだけど−−−




「あたしの秘密は……」




そう言いながら、理恵の瞳が隣に座る耀太を捉える。




「石橋先生が、好きなことです」




ああ、やっぱり……





うなだれるあたしの隣で瑞穂が小さく、げげっ!?と呻くのが聞こえた。





こういう恋愛モノは、異様に場が盛り上がるもので。




「なんだよ、もしかして2人ってできてんの?」



「ようちゃん、ちゃっかりしてるじゃ〜ん!」





司会の淳弥が焦ったように進行を進めるも、隣同士に座る2人に、容赦なく冷やかしの声が飛ぶ。




耀太はそれに必死で否定しているけど、それは逆効果に見えた。





「ちょっと楓、どうすんの?先越されてんじゃん。
っつうか、理恵の奴、なにもそんな暴露しなくても……」



「なんとなく予想はついてた。あたしはやっぱり別の話題にする」




ちょうど順番が回ってきたこともあって、あたしは日本史のテストで3点を取ったことがあることを暴露した。





そして全ての生徒が終わり、いよいよトリとなる耀太の番。





「もしかして楓のことじゃ……?」






瑞穂はあらぬ期待を寄せているようだけど、耀太は現役の教師。





そんなはずはない。





「俺の秘密は……」





話し出した耀太の声に、部屋中が水を打ったように静まり返った−−−







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