幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?
グヘヘヘ………
ああヤバい、あれは何度思い出してもニヤけちゃう言葉だよ……
「なに一人で笑ってんだよ。
早く乗れば」
一人でムフムフ言ってたあたしに、すかさずツッコミが入る。
「ゴメン、ゴメン……」
そう言いつつも、やっぱり顔はニヤけたまま、耀太が防護するように開けて待つ助手席のドアから車に乗り込もうとするあたしの腕を、
「ちょっと待て」
むんずと掴む大きな手。
「なに?」
「なにじゃねぇだろ!
お前さっき…」
「およ??ケンカすんの?」
やっちゃう?やっちゃう?
今あたし機嫌いいからさ、相手になんないと思うけど?
(さっきの後悔はどこに……?)
耀太の言葉を遮って、ふざけてファイティングポーズをとるあたしの頭上から、
「ケンカなんてしねぇよ。ガキじゃあるまいし……」
ことさら大きなため息が降ってくる。
「誤解を解きたいだけだ」
「誤解?」
「そう。この車は確かに親父が全額払ってくれたけど、ちゃんと月々返済してんだよ、親に。
しかも利子付きで」
「えっ!?お祝いじゃなかったの?」
「そんな甘くねぇよ、石橋家は」
一旦顔をしかめて呟いた耀太は、何か思い付いたように目を細めてこう付け足した。
「藤村家も、来たるべき時には甘くなさそうだけどな……」
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