幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?
「はじめまして。耀太と同じゼミの近藤 麻美です」
勝手に芽生えた嫉妬心。
同じ紫の浴衣を着た麻美さんは、あたしより、ずっとずっと似合ってる。
ようちゃんの服の袖を握る仕種とか、小首を傾げて笑う仕種とか。
無理して背伸びしてるあたしには、なにもかも敵わない大人の女。
「クスクス…、わかっちゃった。この子がいつも耀太が話してた子ね?妹みたいで可愛いって」
『この子』『妹』
あたしとアンタは立場が違うのよって言われてるみたいだと思った。
胸の中がモヤモヤした。
これ以上、この2人を見たくない……
「…耀太!早く花火行かないと終わっちゃうよ」
「お前、友達は?」
「トイレ行ってるの!もう戻って来るって!」
明るく笑いながら、その場から立ち去ろうとしないようちゃんの肩を無理矢理押した。
早くどっか行って!
「彼氏を待ってるんでしょう?見られるのが恥ずかしいんだって。ほらっ、早く退散してあげましょ?」
物分かりのいい女って顔した麻美さんは、あたしにウインクしながらようちゃんを引っ張った。
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