幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?






ツンツンは、時に冷酷だ。





吾郎の場合、それは束縛という形で表れた。






やっと出来た新しい友達、瑞穂に付き合って、よくカラオケに行くようになったあたしを、吾郎は許さなかった。






『カラオケ屋に狙ってる男でも居んじゃねぇの!』



『歌うだけで終わるわけねぇだろ!』







何度カラオケ屋から強制送還されたかわからない。






あたしも瑞穂も歌うのが大好きだったし、瑞穂の夢を叶えるための大事な練習だと言っても無駄だった。






じゃあ一緒に行こうよと言えば、カラオケは嫌いだと一喝され、まさに友情と彼氏の板挟み状態。






しだいにコソコソ行動するようになったあたしを、吾郎は監視という手段で束縛した。






『家から一歩も出るなよ!』






そのくせ、自分は平気で友達と遊びに行く。







ホントに疲れた。
心底疲れ果てた。






『別れたい』



『別れたくない』






1ヶ月かけて話し合いをし、やっと去年の9月に納得してくれた。






高2の夏休みという貴重な時間を台なしにしてくれた、半年間だけの彼氏だった。







`
< 43 / 344 >

この作品をシェア

pagetop