幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?
ツンツンは、時に冷酷だ。
吾郎の場合、それは束縛という形で表れた。
やっと出来た新しい友達、瑞穂に付き合って、よくカラオケに行くようになったあたしを、吾郎は許さなかった。
『カラオケ屋に狙ってる男でも居んじゃねぇの!』
『歌うだけで終わるわけねぇだろ!』
何度カラオケ屋から強制送還されたかわからない。
あたしも瑞穂も歌うのが大好きだったし、瑞穂の夢を叶えるための大事な練習だと言っても無駄だった。
じゃあ一緒に行こうよと言えば、カラオケは嫌いだと一喝され、まさに友情と彼氏の板挟み状態。
しだいにコソコソ行動するようになったあたしを、吾郎は監視という手段で束縛した。
『家から一歩も出るなよ!』
そのくせ、自分は平気で友達と遊びに行く。
ホントに疲れた。
心底疲れ果てた。
『別れたい』
『別れたくない』
1ヶ月かけて話し合いをし、やっと去年の9月に納得してくれた。
高2の夏休みという貴重な時間を台なしにしてくれた、半年間だけの彼氏だった。
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