幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?
でもさと言う瑞穂の声に、外に向けていた視線をまた元に戻す。
「楓の場合、いい具合の男が身近に居るじゃん」
「………それ、誰のこと?」
さっぱり見当が付かない。
眉間にシワを寄せて悩むあたしを見て、瑞穂は不敵な笑みを浮かべた。
「よ、う、た」
「はっ??」
「そんなの耀太に決まってんじゃ〜ん!」
実際は会ったことはないけど、瑞穂はあたしにつられて耀太と呼ぶ。
ってか!
「意味わかんない」
「楓の耀太話を聞く限り、時に俺様で、時に優しく、しかも家族の内情はバッチリ把握してる!
マザコンじゃないのは自分で了解済みでしょ?」
やけに“マザコンじゃない”ってのを売りにする瑞穂。
たいていの男はそれに該当すると思うけど、心に深いトラウマを抱えた彼女には言わないでおくのが優しさってもんだろう。
「そりゃおばさんは息子の耀太や賢にぃより、あたしを可愛がってくれたから、マザコンじゃないのは確かだけど…。
あんな彼女を取っ替え引っ替えしてる奴なんて、絶対死んでもヤだ!」
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