幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?
この4月から耀太もフリーターか……
少しだけ気の毒な気分になりながらリビングのドアを開けると、我が家のソファーにどっかり座る耀太の姿が目に入った。
その姿は、もはや客ではなくただの偉そうな男。
「よおっ!楓!」
体は動かすことなく片手だけを上げてる耀太。
相変わらず、なんなんだ、その態度は。
これからフリーターになるというのに、かなり余裕そうじゃん。
おじさんとおばさんが可哀相だよ……
視線だけを走らせたあたしは、声を発することなく階段を上りかけた。
「待ちなさい、楓。
コレ、ようちゃんのご両親から楓にって頂いたのよ?
ようちゃんにお礼ぐらい言いなさいよ」
母親が差し出す紙袋を受け取り、小さな声で「ありがと」だけ伝えて、階段を一気に駆け上がった。
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