幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?





「さっきはマジでビビったよねぇ…」






小声で話す瑞穂に、周りに居る誰もが興奮気味に頷く。





「ブルが入って来た時には、あたし、教室から走って逃げようかと思ったぁ」






追試常連組の明日香があまりにも真剣な顔で言うから、聞いてた園子が堪らずブッと吹き出した。





あたしなんて、退学まで考えちゃったよ……






さっきの衝撃をぼんやり頭に思い浮かべて、あたしも安堵のため息をつく。









開いたドアから入ってきたのは、それまで話題に上がっていたブルだった。






『おっ、珍しいこともあるもんだなぁ?全員席に着いてるなんて。
雪でも降るんじゃないかぁ?』






垂れた頬を引き吊り上げて笑うブルを見て、一瞬で落胆と怒りの空気が教室中に漂ったのは言うまでもない。






あたしは神様を憎んだ。
なんで高校生活最後の年ぐらい願いを聞いてくれないの?って。






あんなに明るいクラスが、険悪ムード一色に変化した時。






『始業式があるから体育館に移動しろ。
それと…、お前らの担任は私じゃないからな』






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