幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?
鏡の前で貰ったピアスを付けていると、
「楓ー!早くご飯食べちゃってよぉ!」
と、40代とは思えない甘ったるい声が下から聞こえてきた。
あたしの母親、恥ずかしいことにコレが地声なんです。
声だけなら、娘のあたしの方が親に間違えられるのもちょくちょくで。
なんていうか、怒られてても全然威厳を感じないんだよね。
「はいは〜い」
適当に返事をして、ベッドに脱ぎっぱなしになってた部屋着に着替えると、もう一度髪をかきあげて鏡を覗いてみた。
おばさんに貰ったピアスは、お花のモチーフに小さなピンクの石をあしらった物で、冬物のフリースのワンピを着たあたしにも、少しだけ春の印象を与えてくれていた。
`