幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?






どんどん近づいてくる人の気配にドキドキしながら、その時を待つ。






あたしはある理由から今の時間だけ瑞穂と席を代わってもらった。





だから1番窓際の1番後ろという特等席から、外の様子を伺う。





でも中庭の木が邪魔していまいち見えない。






この学校、1年が3階で3年が1階なんだよね。
かわってるでしょ?






ってか、そんなのはどうでもよくて。
生徒に紛れて教師が戻ってきてる様子はないようだけど……






そのうち、5組の教室にもどやどやクラスの子達が戻ってきた。






そしてあたしを見つけるなり、「クモ女〜!」と爆笑し始めた。






………うぐぐ……
違うって叫びたい。



でもできない!
騒ぎを起こしたホントの理由を聞かれても困るし……






「へへへ…ビックリしたよ〜」





無理に作った笑顔を浮かべて、頭をぽりぽり掻いてみせる。






そのあたしの目の前で、瑞穂は得意げに指で丸を作ってみせた。






「このくらい大きかったんだよ〜!」






なっ!?なんちゅうデカさ!?






あたしは真実を隠す代わりに、10センチはある大グモを頭にのせた女として生きる道を選んだ。







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