幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?
にしても、教壇に立つ耀太の悠々とした態度ったらありゃしない。
とても新卒とは思えない落ち着きっぷりに、逆に腹が立ってきた。
もっとはにかんだ顔でもしてれば、男子の反感を多少反らすことだって出来そうなのに。
ふと視線を机に落とすと、自分が肝心なことを忘れてることに気づいた。
………あっ!
耀太を心配してる場合じゃなかった!
キョロキョロと周りを見回して、誰もこちらを見てないことを確認すると、耀太宛てにメッセージを書いた紙を頭の上に掲げた。
“他人のフリ”
と大きく書いたプリント用紙。
直接話すわけにはいかない耀太への、心の底からのメッセージ。
ちょっと耀太!
こっち向きなさいよ!
教壇からゆっくり教室中を眺めていた耀太は、最後にあたしを見て視線を止めた。
そして、その瞬間、耀太のポーカーフェイスが崩れた。
「ぶっ!…クククッ…」
ってか、何笑ってんのよ!?
「先生、どうしたの?」
そんな耀太を不思議そうに見つめる皆が、その視線をたどってあたしの方へと振り返る。
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