幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?
今日は始業式がメインであまり時間がないからと、その後は連絡事項やプリント配布であっさり初HRは終わった。
「なんか、無駄に疲れた……」
解放された途端、いきなり襲ってきた倦怠感に、肩を軽く揉みほぐす。
そんなあたしを、にやけ顔の瑞穂が見ていた。
今日1日、この顔を何回見せつけられたことだろう。
本人も、ニタリと緩んだ口元がキモいって早く気づくべきだと思うんだけど。
「初日からそんなんじゃ、1年後の楓はどうなってるんだろうねぇ?」
「別に変わんないよ。慣れればどうってことないもん」
今はただただ恥ずかしいだけ。
そのうちきっと、これが当たり前なんだと思うようになる、…予定。
「3年ってさ、色々担任のお世話になることいっぱいだよ?
もうすぐある二者面とか、9月の三者面とか……。
大丈夫なの?」
何を心配されてるのかいまいちピンとこなくて首を傾げると、
「密着度がかなり増すってことだよ」
って、バーンと背中を平手打ちされた。
「放課後の静かな教室で秘密を共有する2人が、重圧に耐えられなくなってたまらず愛を確認し合う……。
きゃぁあ!ドラマチック!」
………はっ??
瑞穂の馬鹿さ加減の方がドラマチックだよ……
一人身もだえしてる親友の姿を見ながら、一瞬本気で絶交してやろうかと思った。