幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?
改めて、少しだけ屈んでくれた耀太の耳元に口を近づける。
途端に、ふわっと香ってくる香水の匂い。
そのさりげない身だしなみに気づいて、あたしの心臓がトクンと跳ねた。
な、なに耀太相手に緊張してんのよ……
動揺を抑えるために、その場で軽く深呼吸をすると、その息がかかったのか、またもや耀太の体がビクッと反応する。
「………俺をからかって遊んでんの?」
「ち、違う、クモの話がしたくって……」
「クモ?ああ、お前が頭にのっけてたって話ね。
にしても、あの白本って子、よく声が通るな?
あれなら、歌手になれるんじゃねぇの?」
…………へ?
「よく知ってるね?瑞穂が歌手志望だって…」
白本というのは、瑞穂の苗字。
耀太に歌手志望の友達が居る話はしたと思うけど、名前までは知らないはずなのに……
驚いてすぐそばの耀太の横顔をまじまじと見つめる。
まさか、今日のHRの様子で気付いたとか……?
そんな、超能力みたいな話ってある……?
「ふふん、何でか知りたい?」
「きゃっ…」
いきなり耀太がこっちを向いたから、不意に前髪と前髪が触れ合ってしまった。
ドキドキドキ……
まるで金縛りにあったように、動けない体。
それなのに、顔だけがどんどん熱さを増してるみたい。
ヤバい、こんな時に限って瑞穂の言葉を思い出してしまった……
『生徒と教師の禁断の愛』
そんなの、ありえないから〜〜〜!!!
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