幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?
それなのに、あたしの声に驚いてそのまま固まってる耀太の顔を、瞬きもせずに見つめてしまった。
久し振りに間近で見る瞳は、相変わらず綺麗で、気を抜くと一瞬で吸い込まれそうな程の威力がある。
その周りを縁取る睫毛なんか………付けてんじゃないかって疑うぐらい長い。
このまま学校の先生にしておくにはもったいなくない?
どこぞのモデル事務所にでも………
って………違う、違う。
今はそんなこと考えてる場合じゃないでしょ。
とにかく落ち着いて、
まずはこの距離をなんとかしなきゃ、ろくに話も出来ないじゃん。
そう思って、後ずさりしようと足を動かしたのに。
あれ?
何なの、このもどかしさ。
自分の体であって、そうでないかのように、動かない足。
まさか、顔の熱が脳まで伝わって、あたしの脳みそ、溶けちゃったとか……?
そうこうしてるうちに、「わりぃ……」と呟いた耀太が、屈めていた体を伸ばした。
急に高い位置へと戻っていく綺麗な顔。
そしてそのまま、天井を見上げてぽりぽり頭を掻いている。
「べ、別に………」
多分まだ真っ赤であろう自分の頬を両手で隠しながら、あたしも慌ててそっぽを向いた。
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