幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?





「「…………」」








――――――2人の間に流れる、気まずい沈黙。





な、何か話さなきゃ……
さっきは何の話してたんだっけ……?






そう思っても、上手く回らないあたしの思考回路。
妙な焦りがあたしの考えを支配して、ただでさえ反応が鈍い脳内をかき乱してるみたい。







話、話………
あっ………、瑞穂の話だ。





ようやく思い出した話題を持ち出そうと、口を開きかけた時、







「なるべくドアから離れた場所でしゃべればいいんじゃねぇの?」







そんな言葉とともに、耀太の体があたしの横をすり抜けて行く気配がした。





横目でそっと追うと、ドアから一番遠いベッドの方へと歩いて行く広い背中が見える。
仕方なく、あたしも俯きながら後ろに続いた。





外は日が沈みかけた夕暮れ。
本当なら、電気を点けるべきなんだろうけど、そうすると、この赤い顔が見られてしまう。






このままの方が話しやすい、よね。






ベッド脇に無造作に転がる照明のリモコンを、あたしはあえて見て見ぬふりをした。






「で?クモがどうした?」






まるでHR時のように優しい口調で尋ねる耀太。
薄暗くてその表情は見えないけど、全身から俺は教師だオーラを噴出してるようにも感じる。





ああ、そうだ、そうだ。
もともとはクモの話だったんじゃん。






まだまだ思考回路修復中の自分の脳内を情けなく思いながら、顔は見ずに口を開いた。





なんとなく、教師顔をした耀太は見たくないと思ったから。






「うん……、アレ、嘘だから。
叫んだあたしを連れ出すための、瑞穂が思いついた言い訳だから。
それだけ言いたかったの……」







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