幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?
しばらくして、上の方からふっと笑う声がした気がした。
「そっか……、まあ、わかってたけど?
大のクモ嫌いの楓が、叫ぶだけで終わるわけないしな。
昔みたいに、倒れるか、おもらしするか、どっちかだろ?」
今度は間違いなく、いつも耀太があたしをからかう時に漏らすいじわるな笑い声が耳に届く。
昔、みたいに………?
ふと、小さい頃、耀太におもちゃのクモを洋服の中に入れらて、尻もちをついてしまった記憶が甦ってきた。
あん時は面白かったなぁと呟く声に、その時の怒りまでまざまざと甦ってくる。
「おもらしなんかしてないもんっ!
尻もちついただけじゃん!」
カッとなり振り上げた手は、目的を果たす前に、いとも簡単に捉えられてしまった。
「あっぶねぇ、久しぶりに楓パンチくらうとこだった…」
そう言って、いたずらっ子みたいにケタケタと声を上げて笑う耀太。
まるでそう、昔の耀太のように。
あたしは握られた手を振り払い、目の前に立つ大きなシルエットをギロリと睨み返した。
やっぱり前言撤回!!
コイツに教師オーラなんて全然感じない!
耀太は、相変わらず耀太だ!!
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