幼馴染みが担任になったら…アナタならどうします?





ピンポ〜ン♪





ちょうどその時、家中にチャイムの音が鳴り響いた。
続いて、母親がスリッパで駆けてく音がする。





多分、宅配のお寿司屋さんが来たんだろう。
我が家でお祝いといえば、お寿司が定番だから。






「いつまで思い出し笑いしてんのよ、変態教師。
もう着替えるから出てって」





そろそろ母親から呼ばれるだろうと思い、まだ笑い転げてる耀太の手をぐいっと引っ張った。






もちろん部屋から追い出すためにね。






なのに……-――






「おわっ!?」






よほど油断してたのか、そんな声とともにそのままバランスを崩してこちらに倒れてくる耀太の体。






…………えっ!?
つ、潰されるっ!






予想外の展開に、慌ててぎゅっと目を閉じて身構えるあたし。






ダンッ−−






とっさに耀太がバランスを失った体を片手で支えたおかげで、潰されずにはすんだけど……






気づいた時には、あたしの体は壁と耀太に挟まれてる形になっていた。






前髪にかかる耀太の息遣い。





耳にわずかに聞こえる鼓動の音。





さっきよりも強く感じる香水の匂い。







本日2度目の超近距離に、あたしは思わず息を飲んだ。





近い、近すぎる……






この状況で、まだ握ったままの耀太の手さえ、動揺したあたしの手は離すことも出来ずに、かすかに動いただけだった。






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