ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~



食事の後、
職人さん達が現場に出たのを見計らって、
オレは所長に話しかけた。


「所長、山科ってパチンコ行ってるらしいですわ。クミちゃんが教えてくれました。」


「アキラ、今なんて言った?山科パチンコ行ってるって?!」


なんやそれ?!

とあきれた所長に追い討ちをかけるようにオレは自分のモヤモヤを吐き出した。



「山科のヤツ、クミちゃんとヤったらしいんっすわ。」

「マジでか?・・・・・・。里田さん、あんな男でええんか?そりゃ独身同士やから、問題はないっちゃないやろうけど・・・。」


「オレは『慎重にせなあかんでぇ』ゆうてクミちゃんに言うたんですけど、どうもそないなことになったらしいですわ。今も一緒にいるみたいで・・・。」

「っていうかアキラよぉ・・・。現場の賄いの女の子に手を出すっちゅうんがありえへんことやんなぁ?」

「ホンマっすわ。」


驚きとため息の混じる所長を横目に、クミちゃんに返信した。




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