ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~
駐輪場でそのメールを読んで私は泣きそうになっていた。
高岡さん、
なんだかすべてお見通しって感じで、今まさに私が欲しかった言葉を与えてくれてる・・・。
今すぐにでも高岡さんに会いたかった。
昨夜からの冷えきった心をどうにか温めてほしかった。
でも・・・。
今高岡さんに会ったら、
寂しさの塊の私は、間違いなく甘えてしまう。
高岡さんを困らせたらダメやけん・・・。
だから、そのメールをリピートしながら家へ急いだ。
途中、山科さんから教えられていた高岡さんの宿の近くを通っていると、どこかに停車して連絡を取りたい気持ちがふつふつと沸いて来た。
けれど、必死にその気持ちを押さえて、アクセルを吹かした。