ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~
電話を切って、信号を数えながら知らない道を進む。
ドキドキと胸が鼓動を始めていた。
クミちゃんとは毎日現場で顔を合わせていたハズやのに、なんだろう?この感覚。
さっきシャワーを浴びたばかりなのに、汗が流れてきた。
しばらく行くと水門が見えて、その前にクミちゃんが立っていた。
「お疲れ様~~」
後続の車に遠慮しながら、さっと助手席に乗ったクミちゃん。ふんわりとオレンジのシャンプーの香りが広がる。
にっこりと笑う彼女の姿に、オレは正直ホッとしてその日の疲れはどこかに飛んでいた。