ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~



まだ日も暮れていなかったので、「いい景色みせてあげる」って言うクミちゃんに案内されるがままに車を走らせた。


ドライブは好きやけど知らん道やから、全てはクミちゃんに任せっきり。

なんか格好悪くて言い訳してしまうオレなんやけど、彼女はそんなこと一切気にしてなくて・・・。

「そこの信号右ね。」なんて言いながらオレが勧めるがままに細いメンソールのタバコに火をつけていた。




しばらく車を走らせるとトンネルが見えてきて、クミちゃんは何かたくらんでいる子供のように目をキラキラさせながら


「この先の景色が私大好きなんだ。」


って身を乗り出していた。







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