ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~
私は奥さん子供からアキラを奪う気はない・・・。でもあとわずかな時間のあいだだけでも私のそばに居て欲しいと感じてしまっていた。
求められるキスは本当に嬉しかった。
あの時・・・山科さんとは肌を重ねたのにすごく孤独だったことが思い出される。
今私にはアキラの気持ちが届いていて、彼は私を欲していてくれていた。
だけど、二人ともその思いを口にすることはできなくて、苦悩するアキラを見ると私も苦しくて堪らなかった。
次回会うこと。
そう。
このままじゃダメだから、でもこれ以上繰り返してもダメだから、と
もう一度だけ会うことを約束して別れた。
そんな私達を満月だけがそっと見守っていた・・・。