ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~
ランチは近くのイタリアンの店。
白い外壁がちょっとおしゃれなそのお店にはこれまで何度か来たことがある。
普段はとても静かな店内なんだけれど、その日はお客さんが多くて少しざわついていたから、おしゃべりするのにはちょうどよかった。
「とにかくお腹空いたから」ってメニューとにらめっこしていた柚月なんだけど、
お店の人に注文をするや否や、お水をゴクリと一口飲んで
「クミ?!一体どうなってんの?判るように説明してよぉ~」
と興味津々の顔つきで切り出した。
私は山科さんのことでアキラと連絡をとるようになった時のことから順を追って話をした。
あまりの急展開にとにかく驚いていた柚月。
「で、これからどうするの?嫁子供いるんでしょ?」
「うん・・・。あと一回は会おうって話はしてるんだ。」
「クミはアキラのこと好きなの?」
「え・・?」