ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~
~~~クミside~~~
店員のお姉さんにもツッコミをかますアキラ。大阪人やなぁって笑いながらの楽しい夕食だった。
食事を終えた私は、化粧を直したくて席を立った。
鏡に映っているその顔は、お酒のせいではなく高揚する気持ちのせいでほんのりとピンク色に染まっていたので、恥ずかしくなってパウダーで頬を撫でた。
戻ると、さっきのテーブルにアキラの姿が無い。
慌てて店内にぐるりと目をやると出口のドアの前にもう支払いを済ませたアキラがいた。
先日の山科さんとの食事をまた思い出した。
彼には私が奢るとは言ったものの、1人でさっさと店外に行ったその姿と比べるにつけても、
アキラのやり方がとてもスマートに見えて
また胸の奥がキュンって鳴ったんだ。