ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~



それまでは『消えたい』っていう感情だったのに恋に破れ、気が付くとその感情はさらに深く暗い闇に落ちていた。

恋することにも生きることにももはや希望が持てなくなっていて、何を支えにしていいのかわからなくなっていた。

あるキッカケを与えてもらうまで、ずっとその状態をさ迷っていたんだ・・・。



「アキラ、私ね・・・・・・。『死にたい』ってそればっかり考えてて、生きることに前向きじゃなかったんだ。今は・・・後ろ向きではないだろうけれど、それでもまだ立ち止まってる気がしている。」

って言ったらアキラはそんな私を力強く抱きしめてくれた。


「クミちゃん?」


「私生きてていいの・・・?」


「当たり前やろ。クミちゃんが死んだりしたらオレ・・・この町にまた来たときどーすればえーねん」


切ない声が車内に響いた。





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