ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~
~~~アキラside~~~
「ほな、先帰るわ。アキラ、月曜の予定を作成して昼イチにお客さんとこ提出しといてくれな。」
って、いつもなら山科に頼む仕事をオレに振って、同じく出張族の所長は早々に現場を後にしてしまった。
オレも早よ帰りたい、っていうよりとりあえず昼寝したいのに、寝られへん・・・。
プライベートの携帯も調子悪くて、アドレス帳とか残ってるっぽいけど、発着信ができなくなってるみたいやし・・・。
連絡取れなくなって不安にさせたら悪いから、すぐに仕事用の携帯でクミちゃんに連絡はしたんやけど、オレの頭の中にはまたベタな理由が浮かんでいた。
『携帯ショップの場所教えて欲しい』
ってオレどこまでセコイんやろ・・・。
苦笑しつつも彼女に会いたくて、その理由(無理矢理だけど)がある今、堂々とクミちゃんを誘えることが嬉しかった。