ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~

~~~クミside~~~

海からの風が爽やかに吹き、水面がキラキラと輝いていた。

整備された緑地の広がるその場所には、何人かの先客がいて、皆思い思いの時間を過ごしているようだった。



誰にも邪魔されない二人の時間・・・。

磯の香りが私たちを包んでいた。



橋の袂で夏の日差しを受けながら、そっと手をつなぎ海に浮かぶ船を眺めていた。

伝えられない言葉の代わりに、私がその手をギュっと握ると、アキラもそれに応えてくれる。


それが嬉しくてお互いの想いを込めて何度も何度も握り返した。






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