ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~
「みんな自己紹介してくれ」
所長に促され、順番に所属と名前を
告げていく。
オレはキョロキョロと不安そうに動く
彼女の目をずっとみていた。
でも、そんな彼女のことをみていたのは
オレ1人じゃなくて・・・
オレの斜め向かいの席に座る、同じ年の山科。
この現場で初めて一緒に仕事をしたんだけど、
何かにつけてオレをライバル視してくる
いけ好かないヤツの顔が
少し赤くなっていたなんて、
この時のオレは気づくはずもなかった。