ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~
ぼんやりとした街灯に照らされて、遠くにクミちゃんの姿を確認することができた。
そのシルエットがいつもと違うことに気付いたオレは、一気にテンションがあがった。
「お疲れさま。写真の整理メドがついたんやなぁ。」
助手席に座ったクミちゃんが明るい声で話しかけてくれる。
オレは高鳴る鼓動を感じつつも、それを悟られたくなくて、彼女を直視することが出来ないまま、ハンドルを握りなおし、アクセルを踏んだ。