ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~
むっとむせかえるような暑さは、ジリジリと肌を焦がしていく。
お手伝いの報酬はビールとおつまみ。
そして花火だ。
町内会のお祭りといっても結構立派な花火大会が催されるので、私はこのお手伝いをとても楽しみにしていた。
特等席で花火を見られるというのは、なかなかなものだからだ。
「アキラと一緒に花火をみたいけれど、そうはいかないもんなぁ・・・。」
会場について、やっぱりメールも着歴もない携帯を見ながら、そんな言葉が口をついて漏れた。