ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~

~~~クミside~~~


「あっ・・・。」



首筋に冷たいものが当たった。






「雨だ・・・。」


と私たちは、車に戻ることにした。



助手席に座ると、それまでの生温かい潮風も磯の香りも波の音も、すべてが遮断されて、また違う空気が流れていた。


闇に浮かぶオーディオの青白い光に、降り始めた雨が、私の中の寂しさを煽る。



「今週末、大阪帰らんでおることってできんよね・・・。」





< 356 / 462 >

この作品をシェア

pagetop