ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~
ふいに、そんなことを言いだすクミちゃんの顔を驚いて見ると、
「冗談よ。」
って笑っていた。
「いろいろ考えてたんだ。
アキラのことを失いたくないから、最後までは・・・しないよ。
それでも十分にお互いの気持ちは伝わってると思うし、感じてるでしょ?
実はさ、昨日、柚月に言われたんだよね。
『クミはどうしたいの?』って・・・。
私、今までHから始まる恋しかしてなかった。
だから、相手のことを欲しい気持ちってのが、どういうものなのか、よくわかんないんだ。
今、少しもどかしい時もあって、それが『欲しい』って気持ちなのかなって思うけど・・・。
それでも今、満たされてもいるから・・・・。
アキラの気持ちもよくわかってるつもりだから・・・。
だから、最後まではしないし、求めない・・・。
今はアキラが必要だから、アキラのことを失うようなことはしたくない・・・。」