ひと夏の恋～満月の夜から始まった２８日間の奇蹟～

～～～アキラside～～～

皆既日食が見られるというその日。

所長とオレがその手のイベントを逃すはずがなく、パソコン作業の息抜きに、部屋から出て空を仰ぐ。



所長の手にはプラスチック製のチリトリ。

何を持ってきているんだろう、と不思議に思っていたけれど、太陽の直接光を和らげるために（本当に目を守ることが出来るのかはわからないけど）使うつもりのようで・・・。



「いいアイデアやん。」

そう思って、自分が思いついたかのように、クミちゃんに報告したのだけど、それがオレの考えでないことはすぐに見抜かれて、苦笑した。



クミちゃんも出先だというので、オレも仕事後、パチンコに行くことにした。その店はクミちゃん情報で、オレの好きな台でイベントをやっているっていうから、覗いてみたかったんだ。