ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~



そしたら、過剰に反応している山科さん。

「え?もしかしてバツイチ?」

頷く私に

「オレもそうなんだ・・・。」

って言葉が返ってきて、


驚いて床を掃いている手が止まった。





山科さんも

私と同じでバツイチの事実を軽々しく

口にできない何かを抱えているんだ



そう思えて、顔を上げたら

山科さんと目が合ってしまって



「えっと、あ・・・
じゃあオレも現場行ってきます」

「あ、うん・・・いってらっしゃい」



一気に私たちの距離が縮まった空気を

そこに確かに感じたんだ。



私の心の中に何かが生まれた瞬間だった
と思う。


久々の感覚だった。






< 37 / 462 >

この作品をシェア

pagetop