ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~
そしたら、過剰に反応している山科さん。
「え?もしかしてバツイチ?」
頷く私に
「オレもそうなんだ・・・。」
って言葉が返ってきて、
驚いて床を掃いている手が止まった。
山科さんも
私と同じでバツイチの事実を軽々しく
口にできない何かを抱えているんだ
そう思えて、顔を上げたら
山科さんと目が合ってしまって
「えっと、あ・・・
じゃあオレも現場行ってきます」
「あ、うん・・・いってらっしゃい」
一気に私たちの距離が縮まった空気を
そこに確かに感じたんだ。
私の心の中に何かが生まれた瞬間だった
と思う。
久々の感覚だった。