ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~
店を後にしたオレ達は、それぞれのカップルにわかれて、車に乗り込んだ。
いつものように、クミちゃんを家の前まで送って行ったんだけれども、今夜は彼女を帰したくなかった。
柚月チャンとケイが今頃どんな風にHしてるんやろ、とそんなことを考えてしまって、ひどく悶々としていたから。
刺激されたし、自然な恋人の二人が羨ましかったんだとも思う。
でも、
オレにはやっぱり一線を越えることはできなかった。
だけど離れたくなくて、いつまでも、誰に見られることもなくキスを繰り返していた。
この恋の中で、一番『恋人』の関係を楽しめていたのかもしれなかったのが、この夜だったんだ。